らくらく新聞@ブンタウ

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平和と戦争の間にある徴兵制国家ベトナム。軍靴の音はどこから響く?~ベトナム人学生の軍事教練と中国船の体当たり

ベトナムは雨季真っ盛り。

学生たちは試験を終えて夏休み、、、かと思いきや

一ヶ月の軍事教練にかりだされています。

なんてひどい!と思う方がいるかもしれませんが、

大学生はだいぶマシなんですね。「徴兵」は免除されていますから。

そして それはそれできちんと楽しんでいる模様。さすがは南国育ちです。

コスプレ的感覚で記念撮影しています。

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まぁ、この服装がコスプレ的ではあるけども、決してコスプレではないというところが今回の話のミソなのですけどね。

ベトナムは社会主義の国です。一党独裁です。徴兵制があります。発展途上国でもあります。こう聞くと、先進国で平和憲法を持ち長らく戦争とは無縁(ということ)で育ってきた私たちにとって、とても恐ろしい国に聞こえるかもしれません。

どう思うかは自由ですが、ただ、そうせざるを得なかった歴史・現状があるということです。平和や独立を維持していくことは並大抵ではないということだと思います。

 ベトナムが経済的に多大な負荷をおして、なぜ徴兵制を持つのか、その理由を見ていきましょう。

 

☆☆☆

まずは現在のベトナムの徴兵制度。

徴兵制度 - Wikipedia

ベトナム人民軍は1944年12月22日に設立された。徴兵制を採用しており、18-27歳の男子に原則として2年の兵役義務が課されている。主力部隊、地方部隊、民兵の三結合方式を採用している。国家国防安全委員会主席は国家主席が兼任し、首相が副主席である。中越戦争時には正規軍だけで170万人の兵力を有していたが、現在は48万4000人まで兵員が削減された。陸軍41万2000人、海軍4万2000人、空軍3万人である。このほか予備役と民兵が300-400万人。予備役将校の職業はさまざまで、高級官僚や大学教員も少なくない。

 

 

ベトナム現代史は長い戦いの歴史です。 

◎第2次世界大戦後、ベトナム再支配を図るフランスとの独立戦争(インドシナ戦争1946~1954)。

◎共産主義政権を認めないアメリカとの戦い(ベトナム戦争1960~1975)

◎カンボジアのからの攻撃とそれに対する反攻と進駐・支配(1975~1989)

◎カンボジアを支援する中国の侵攻(1979中越戦争)

 

ベトナムには1979年の中越戦争まで絶えず外部勢力が襲ってきています。

徴兵は国難に対峙する必要に駆られての制度でした、 

干渉してくる最後の大国である中国を退けたこと(中越戦争)は大きな区切りとなり、以降は徴兵「令」は施行されなかったようです。

 しかしその後も断続的に中国との国境紛争は続きます。

そして近年、経済力をつけるにつれ、中国は周辺国と敵対することを厭わず、その領土的野心をあらわにしています。尖閣諸島での振舞いを目の当たりにしている日本人にとっては人事ではありませんね。そして、ベトナムは日本と違ってアメリカの庇護を受けていません。そのために中国のやり方も非常に露骨です。スプラトリー諸島への中国の圧力(実力行使ですが。。。)が増したことを背景に1979年以来となる徴兵令が施行されます(2011)。1国が平和を望んでも周囲がそれにあわせて平和へと進むかどうかはわからないということです。本当に残念ですが。

先月 ベトナムの判断が間違っていないと証明するような事件が起きました。

南シナ海で中・越船が衝突 石油掘削めぐり、負傷者も - 47NEWS(よんななニュース)2014/5/07 20:12 

そして昨日また中国船がベトナム船に体当たりをしたとのこと。

中国船、南シナ海でまた体当たりか ベトナム監視船に :日本経済新聞 2014/6/24 0:30

“中国船がベトナム船に衝突” 映像を放送 | 日テレNEWS24 2014/6/24 16:14

中国側も弁明をしているようですが、果たしてどちらの言い分が真なのでしょうか。こういうときこそ、日ごろの行いが問われますよね。軍靴の音はどこから響いているのでしょうか?

学生たちの軍事教練がただの一夏の体験・思い出話で終わってくれることを願ってやみません。

 

 

※中国の日ごろの行い

中国の領土侵略の歴史【ベトナム、フィリピン、ブータンも】 - NAVER まとめ

チベット侵攻 - Wikipedia

ウイグル自治区とは?問題をわかりやすくまとめました | 日本と愉快な仲間たち

Yahoo!ニュース - 尖閣諸島問題に関連するアーカイブ一覧

中国と韓国の領土・領海問題 蘇岩礁・離於島

 

中国(中華人民共和国)の領土問題・国境問題の一覧 - いちらん屋(一覧屋)