らくらく新聞@ブンタウ

ベトナムのんびりローカルリゾート・ブンタウからベトナムと日本の諸々のことを書いています。 

外国人労働者・移民と どう向き合うか

日本はまだまだ いい意味でも悪い意味でも大洋によって隔絶されたガラパゴス。ただそんな日本でも、外国人労働者・移民という問題と向き合なければならない時期のようだ。

 就職難と人手不足が共存する日本。外国人労働者がその穴を埋める?

2014年8月8日(金)放送「深刻!岡山の人手不足

NHK岡山放送局|金だイチ|岡山ニュース もぎたて!


地元岡山県で人手不足。求人倍率1.5倍。が、ハローワークでの就職率は40パーセント。先の読めない景気のため、正社員の倍率は1倍を切るため、需給の思惑がずれているためにこの状況が起きているよう。「「せっかくの好景気なのに、人手不足でもうからない。今、ベトナムなど海外での人探しを考えている」とおっしゃっていました」というコメントに現状がよく現れています。
また人手不足でサービス・労働環境が悪化というの問題も指摘されています。記憶に新しいすき屋の労働問題はまさにこのことですね。

この間倉敷に帰ったときに行った回転すし屋がオペレーションが崩壊していて、まさにそれだなぁと思って記事を読んでいたらとりあげられていました。つぶれてしまったとのこと、味は悪くなかったので残念です。 

 

また他県でも同様に人手不足の問題を外国人労働者でしのいでいる現状があります。 

 

迎える 「外国人活用の足元」(2)進む日本人の『空洞化』 技能継承に危機感(神奈川新聞) - goo ニュース

「確かにベトナム人の評判はいい。現場の混乱もない。人手不足の中で一息つけているのが実情」としつつ、こう続けた。「受け入れて数年で帰国、そして新たな受け入れ。これを続ければ、建設現場での人材と技術の空洞化が進むだけだ」

人手不足でベトナム人技能実習生受け入れ(デーリー東北) - goo ニュース

 

→ 技能実習生という制度は本来、労働者受け入れではない。人手不足を補うために労働力として技能実習生を受け入れているとニュースとしてあがる。実態と限界がわかる。   

 

外国人労働者・移民がもたらすもの

私自身、当然ながら受け入れ手放し賛成ではないのです。ベトナムなど他国に縁を持つと受け入れ賛成のポジション取りをしたくなるのですが(そのほうが仕事多くなりそうなので)、こういう動画を見ると 本当に難しいなぁと。 


植民地の逆襲 旧植民地の移民に埋め尽くされるフランス - YouTube

 


ベルギスタンへようこそ。2030年までにイスラム国家になるベルギー - YouTube

 


移民亡国ドイツ - YouTube


ようこそ現実のスウェーデンへ - YouTube

 


フランス人が少数派となり無法地帯となる移民自治区 パリ フランス - YouTube


エリザベス女王は改宗するかイギリスを出ていくか イギリス移民問題 - YouTube

 

動画にあるように価値観を共有できない移民は受け入れ先の国民と大変な摩擦を起こします。ヨーロッパの国々は民主主義を採用しています。そのため、移民が増え、彼らが多数派になると、ヨーロッパ的価値観を維持していくことは困難になるでしょう。多様な価値観を尊重し、民主主義的であるがゆえに、己が価値観に固執し、民主主義的プロセスを尊重しない人々に侵食されていくというのはなんとも皮肉な話です。

これは、同じ民主主義の国である日本も同様です。日本の対応如何によって、彼らの態度も変わるでしょうが、日本さえ日本人さえ頑張れば、移民や外国人労働者が日本的価値観を必ず尊重するようになるというのは甘すぎる、と思えます。現地に溶け込むつもりがない、現地の価値観を尊重するつもりがない(最悪、敵意すら持っている)人間を受け入れるのは非常にリスキーだし、将来多大なコストを支払うはめになるかもしれません。日本が移民に対して慎重な姿勢をとっているのは基本的に正しいと思っています。

 

これから日本はどうする?

外国人労働者を社会に受け入れるのかどうか、非常に大きい問題です。

今日本にある選択肢はそう、多くないと思えます。

私は日本が日本人の力だけで、世界の中で競争力を維持していくことはもちろん国内需要を満たすことも非常に難しいことではないかと思っています。

フィリピン・インドネシアに続きベトナムから看護士・介護福祉士の受け入れが始まりました。政府の建前は労働者不足を補うものではないとなっていますが、現場は労働者が足りず、逼迫しており海外からの人材を労働力として強い期待を抱いているのが現状です。

【僕がフィリピンからでなく,ベトナムからの看護士・介護福祉士の受け入れに期待している理由】 - らくらくしんぶん@VietNam

 

ただ、外国人労働者を受け入れる前に、なぜ日本人がこれらの人手不足の業界に向かわないのかを真剣に考えたほうが良いとも思っています。それらは日本人にとって労働するに値する環境だと思われていないのが現実でしょう。労働法を適切に守っていない企業が人手不足に陥るのは当然だと思います。それを改善せずに外国人労働者に頼って解決しようというのは、話の順序が違います。また、そんな性根では外国人労働者も定着しえず、根本的な問題解決にはならないどころから場合によっては 人権を侵害していると国際問題に発展するかもしれません。すでに、日本における外国人労働の実態は労働者を供給するアジアだけでなく、アメリカなどからも問題視されています。外国人労働者を受け入れるにしろ、しないにしろ、労働環境の改善・生産性の向上は日本にとって急務だと考えられます。

 

①生産性を向上させつつ労働環境(労働を支える環境含む)を改善することで労働市場に人材を流れ込ませる。

②外国人労働者導入+日本人は高度労働を主流にする(外国人家事労働を導入して日本人の労働を支えようという方法など)

この2つがこれから、日本が競争力を維持していく上で必要なことだと思っています。

 

①を徹底すれば、外国人は要らないという意見もありますが、現実には難しいのではないでしょうか。今、世界の中で競争力があるとされているアメリカやシンガポールなどでは知的労働だけでなく外国人労働者の力を活用しています。(アメリカは単純労働者を受け入れていないという指摘もあるかもしれませんが、実態としてヒスパニック系などの不法入国者が単純労働市場を支えています。)

 

また①も②も不十分なままでも、労働市場におけるミスマッチは時間の問題で解決するかもしれません。

③外国人労働者も受け入れず、労働環境・生産性も改善せずに、世帯収入が下がり、貯蓄も底をつき、生活保護などの社会保障も破綻することで、これまで労働を忌避することができていた層が労働市場に流れこむのを待つ。

というパターンです。

しかし、日本全体にとっても労働者個人にとっても非常に悪い環境に思えます。非生産的な労働がそのまま残り、インフラも崩壊している状態で生活したいとは、私はまったく思えません。

 

①をやりつつ、それで間に合わないところには外国人労働者の受け入れも已む無しだろうというのが私の考えです。このバランスの取り方が非常に難しいのですが。ひとつ間違えると、②が生産性や労働環境を改善しないで済む理由になってしまします。ただ先に述べたように、外国人労働者を獲得することにも他の国との競合があり、労働環境を整えないままで人材を確保し続けられるとは思えません。繰り返しになりますが外国人を受け入れるにしても、生産性の向上・労働環境の改善は必須なのだと思います。