ぶるーおしーしゃんって気持ちいいね
海とともに過ごす日々
大学を卒業し、内定を辞退してベトナムで生活しはじめて ちょうど一ヶ月。
日本に戻る時期も、これからの人生で何をするかも決めていない。
私はベトナムのリゾート地の大学で学生たちに日本語を教えている。
ベトナムの生活は 暑い ということを除いていたって快適だ。
仕事もほどほど、インフラもほどほど、食事はうまくて安い。
今日の仕事は 午前中に1時間と午後に3時間で終わり。
昼休みは近所のカフェでフリーWiFiでネットサーフィン。
住居は大学のゲスト用ルームに一つを使っているので家賃、光熱費はタダ。それどころか、何か不足があったときは、大学に頼めば便宜を図ってもらえる。冷蔵庫、電子レンジ、飲料用の水、布団に換えのシーツ、文房具。
手当ては、現地人並(月給3万円)だが、いまのところ何の問題もない。
食事は3食外食、たまに奮発して日本食を食べたり、波打ち際のレストランでシーフードを嗜む。ベトナム料理は安い店でもそれなりに美味しく、さらに野菜がたっぷりでとても健康的だ。今のところ腹を壊してもいない。
日本で新卒で働いている人間より生活水準は高いのではないのかな。
ネットがあれば、日本語に飢えることもない。
ぶるーおーしゃん最高
こんな優雅な生活を送っていても、もっと仕事をしろというプレッシャーがかかることはない。なぜか。
それは、ここに日本人がいないから。
日本語のネイティブは希少種なのだ。それも、日本語を教えるという仕事に就く人間はさらに少ない。この地にいる日本人は、日本の企業から派遣された駐在が多い。彼らは自分の仕事で手一杯で日本語教育の分野に立ち入ってこない。(そりゃそーだよ、自分の仕事をきちんとしていれば、使い切れないほどの給料が入ってくるのだから。月給3万で十分暮らせる土地で、駐在員はウン十万円もらっている。わざわざ小銭を稼ぐ必要はないよね。)
日本人がいないおかげで、わたしはとても気遣われている。まさにブルーオーシャン。
自分がそもそも持っているものが希少かつ大きな需要があるところに持っていくということは商売の基本。
日本で熾烈な競争に巻き込まれて息が上がりそうな人は、一度視野を広げて自分の価値が評価されやすい場所を探すのが良いんじゃないかなと思う。
もちろん先人たちや現在日本企業で奮闘している人たちが作り上げてきた「日本」というブランドや価値があってのことだけど、ただ日本人(日本語がネイティブに使える)というだけで、ここまで優遇されるんだよ。きっと実際に体験したら驚くと思う。
私が愛読している「Chikirinの日記」においてもブルーオーシャン戦略が紹介されている。
急速な技術の進歩やグローバリゼーションの進展が、「同業他社と戦うより新しい未開拓の市場を開発したほうが、圧倒的に可能性が大きい!」という状況を作り出し、「どうやって他社に勝つか」なんて考えていたら、その時点で負けが確定してしまっている、みたいな状況になっているのです。
日本人は勤勉だ。仕事に対してとてもまじめだ。本当にすごいと思う。しかし、日本では、みんなが勤勉であるため、勤勉さはあって当たり前のもの。コモデティにすぎない。せっかく頑張っても、ありふれたものでしかないのだ。これはしんどい。なら、みんなが勤勉ではないところに言ったらどうだろうか。その勤勉さはとても評価される。少し肩の力を抜いても、まだ勤勉で通る。勤勉を貫き、尊敬を集めることも、リラックスしながら仕事に取り組むことも、あなたの選択しだいになる。日本では考えられないことだ。コモデティであることがいかにつらいことか。その逆であることが、いかに楽で楽しいか。
将来が心配?
そんなだらけた環境で楽に生きていたら、日本や世界で切磋琢磨している連中に大きく水をあけられて日本をはじめとした先進国に戻ることはできなくなる?ぼくが楽観的なだけかも知れないけど、そんなことはないと思っている。なぜなら、今僕は、ベトナムで仕事をしたことがあるという経験と価値を培っていることになるからだ。まだ期間や実績が少ないから大した価値を持たないが、ある程度たまれば、日本に帰ったときそれを活かすことができるだろう。
人生をどう過ごす
自分が尊重されるところに身を置くということは、人生を楽しく過ごす上でとても重要なのではないかな。ないがしろにされて日々を送るなんて、人生がもったいない。
良い環境を見つけて、そこに身を置き、そして環境に甘えきって油断しないように気をつければ、将来のために今を犠牲にすることもなく、将来を捨てて刹那主義になることもなく、人生を豊かに生き続けることもできるのではないかな。
現在、空いた時間で次の楽しいことを考え中。
あぁ、海のある町はとても過ごしやすいなぁ。
ブルーオーシャン戦略
競争の激しい既存市場を「レッド・オーシャン(赤い海、血で血を洗う競争の激しい領域)」とし、競争のない未開拓市場である「ブルー・オーシャン(青い海、競合相手のいない領域)」を切り開くべきだと説く。
ブルー・オーシャン戦略――競争のない世界を創造する (Harvard business school press)
- 作者: W・チャン・キム,レネ・モボルニュ,有賀裕子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/05/17
- メディア: 単行本
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コモデティとは何か。そしてそこからの脱却の勧めと方法が書かれている。歯に衣着せずテンポよく核心にせまっていく、とても心地のいい啓蒙書。